miniken.com

 
** リコリス(甘草) **
学名 : Glycyrrhiza glabra   分類 : マメ科
和名 : カンゾウ
リコリスティー
喉風邪と胃潰瘍に優れた効果があります。
多年草リコリスは、地中海地方、小アジア、ロシア南部、中央アジア、中国北部、北アメリカなどに自生しています。

中央ヨーロッパ原産とされ、古代アッシリア、エジプト時代には、薬用に使用されていた記録が残っています。

ご存知の通り漢方でも重要な生薬の一つです。
日本では、主成分グリチルリチンの抗ウイルス作用により

 ◆ 1986年 エイズウイルスの働きを抑制する効果がある
 ◆ 2003年 新型肺炎SARSにも有効である

などと話題になりました。  
 
 
 

 
抗ウイルス作用について
ここで抗ウイルス作用を理解していただくために
大幸薬品( http://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/virus/dengerous_pathogen.html )の説明を引用させていただいて感染症について触れてみたいと思います。

感染症といえばインフルエンザがまず頭に浮かびますが感染症を引き起こす病原体には、ウイルス、細菌、真菌(カビ)などがあり、以下の3グループの様々な感染症が起こります。

1.ウイルスによる感染症
ウイルスそのものには、細胞膜が無いので単独増殖はできませんが、人の細胞の中に侵入してから増殖します。

ウイルスの種類は多く、ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIVなどがあり

感染性胃腸炎、インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、肝炎(A型、B型、C型など)、帯状疱疹、エイズなどがウイルスによる感染症です。

治療薬は、人の細胞を使用して開発しなければならないなどの必要性があり、その数は多くないということです。

抗ウイルス薬、予防薬には、直接ウイルスに作用するものと、人の免疫機能を調節するものがあり、ポリオ、麻疹、風疹、おたふくかぜ、日本脳炎などのウイルスには、ワクチンがあり予防接種が行なわれています。

しかし抗ウイルス薬は、非常に数が少ないのが現状です。

2.細菌による感染症
細菌は、自身の細胞分裂で自己増殖します。人の細胞に侵入し毒素を出して細胞に傷害を与えます。

細菌には、ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、赤痢菌、炭疽菌、結核菌、ボツリヌス菌、破傷風菌、レンサ球菌などがあり感染性胃腸炎、腸管出血性大腸菌(O157)感染症、結核、破傷風、敗血症、外耳炎、中耳炎などが細菌による感染症です。

治療は、細菌の細胞に作用、あるいは増殖を抑制する抗菌薬が有効で、細菌の特性に応じさまざまなタイプの抗生物質や合成抗菌薬があります。

3.真菌(カビ)による感染症
真菌(カビ)は、人の細胞に定着し、菌糸が成長と分枝(枝分かれ)によって発育していきます。
( 酵母細胞の場合は出芽や分裂によって増殖するそうです。)

白癬菌、カンジダ、アスペルギルスなどが真菌(カビ)の病原体で、白癬(水虫)、カンジダ症、アスペルギルス症などが真菌(カビ)による感染症です。

治療薬は、真菌の細胞膜を破壊したり、細胞膜の合成を阻害する抗真菌薬があります。

リコリスの働き
リコリスの働きは、生体の防御に関与する細胞を強化する網内系賦活作用で体の抵抗力を高めること、副腎皮質ホルモンの分泌を正常に調整し抗ストレス、抗炎症、抗ウイルス作用をもつことです。

抗ウイルス作用の1つインターフェロンの体内産生を促す作用は、抗ガン剤としても期待されています。

抗炎、鎮痛作用があり、香料にも使用されるリコリス(甘草)ですが、有効成分グリチルリチンには、常用、多量摂取の場合には、血圧上昇や水分泌閉止などの副作用もありますので適量を守り、カリウム補給を心がけていただきたいと思います。

リコリスの健康項目
等 級 健 康 項 目
第1級 感染症、胃潰瘍、  十二指腸潰瘍 ( 治療には、グリチルリチン酸成分を含まないDタイプを使用 )
第2級 アフタ性口内炎、疝痛 ( クマツヅラ、ウイキョウ、レモンバームなどと一緒に配合 )、 てんかん( ブプレウラム、シャクヤク根、ピネリア根、カシアの樹皮、しょうが、ジュジュベ実、高麗人参、アジア産スカルカップ根などと一緒に配合 )、HIV(エイズ)、ウイルス感染症、慢性肝炎 ( グリシルリチン酸を含むリコリスの静脈注射 )
その他 喘息、慢性疲労、口唇ヘルペス、咳、クローン病、湿疹、胃炎、性器ヘルペス、花粉症 ( リコリス、カシア樹皮、シサンドラ、マファング、しょうが、シャクヤクの根、ピネリア、アジアサルム根などと配合 )、慢性肝炎 ( グリシルリチン酸を含むリコリスの経口摂取 )、消化不良と胸やけ、メラズマ、更年期障害、帯状疱疹、局部疱疹性神経痛、大腸炎

第1級 : 信頼性の高い臨床試験による検証データがあり非常に効果が高いもの
第2級 : 試験管あるいは動物実験で効果があるとされているもの
第1級第 2級 : あるいは効果があるとされているもの
その他 : 主にハーブを使用した民間療法に使用されているもの
第1級第 2級 : 臨床試験による検証データがあり効果があるとされているもの 

リコリスルートを使用した臨床試験
リコリスの主成分は、グリチルリチン酸とフラボノイドです。

私たちの体内でつくられるコルチゾールは、副腎皮質の束状層で産生され分泌されるホルモンであり炭水化物、脂肪、およびタンパクの代謝を制御する必須ホルモンです。

グリチルリチン酸は、抗炎症作用をもち、ストレスなどで血中のコル
チゾールレベルの高い状態が続いて、神経因性炎症反応により細胞膜が炎症を起こし破壊するのを防ぎます。*1 *2

グリチルリチン酸には、抗ウイルス作用もありますが、臨床試験で証明されていません。
フラボノイドは、カルコンと結合して消化器官細胞の傷害を和らげます。

フラボノイドは強力な抗酸化作用で、細胞内に発生した活性酸素が細胞に傷害を与えるのを防ぐ働きで肝細胞の傷害を防ぎます。

試験管試験では、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎などを起こすバクテリアのヘリコバクテリピロリ菌を死滅させています。 *3
この結果だけではリコリスの経口摂取が人間の潰瘍治療に有効かどうかは決定できませんが・・・。

リキリチンと呼ばれるリコリスエキスクリームを皮膚染色障害メラズマの治療に使用し評価した効果が報告されています。

クリームを1日2回患部に塗り4週間継続した二重盲検試験 *4 では、リキリチングループの70%、偽薬グループの20%の人に改善効果あったそうです。

胃潰瘍治療に酸ブロック薬シメチジン(Tagamet社)とチュアブルリコリスDGL錠の効果を比較した実験結果では、両者とも即効性があり治療効果は遜色がないこと、治療効果の持続性も同等だったことが報告されています。 *5

またチュアブルリコリスDGL錠は、小腸の入口部分の十二指腸の潰瘍治療にも有効だとされています。 *6

DGLタイプのものは唾液と混ざることで始めて効果を発揮しますので、DGLカプセルのものは、潰瘍治療には向いていません。*7

リコリスDGLのうがい薬は、アフタ性口内炎の治癒を速める効果があることが、臨床試験で確認されています。*8

推奨される摂取量
リコリスサプリメントには二つのタイプがあります。一つはグリチルリチンを含む標準タイプです。バルクハーブを使用するハーブティーもこのグループに入ります。

もう一つはグリチルリチンを含まないDGLタイプです。標準タイプとDGLタイプには各々ふさわしい使い方があります。

呼吸気管の感染症、慢性疲労症候群、疱疹( ヘルペス )の治療には、標準タイプを使った方がベターです。
標準タイプは、カプセル、錠剤、ハーブティーなど3通りの方法で摂ることができます。

ハーブパウダーカプセルの場合は1日5〜6g、濃縮エキス250〜500mgタイプのカプセルは1カプセルずつ1日3回摂ります。

ハーブの煎じ薬としては、リコリスルートバルク14gに対して水500mlを注ぎ15分間沸騰させれることで作れます。
この場合は、500〜750mlのハーブティーを250mlずつ2〜3回に分けて飲むことになります。

リコリスを1日10g以上、2〜3週間以上継続服用する場合は、お医者さんの監督、指導で摂る必要があります。

ヘルペス治療にクリームあるいはジェルのタイプを使う場合は、1日3〜4回患部に塗る方法で行ないます。

グリチルリジンを取除きグリチルリジンの副作用を避ける目的で作られたDGLタイプは、消化管の疾患、例えば潰瘍治療に使用されます。

摂取方法として一番良いのは、200〜300mgのチュアブル錠を1日3回食前に噛む方法です。*9
口囲潰瘍治療には、DGLパウダー200mgをお湯に溶かし、3分間口に含み、モグモグし、口囲りをなめて吐きだします。これを1日3〜4回位繰り返し行います。

安全性
個人差がありますが、グリチルリチンを含むリコリスを摂ると、一部の過敏な人たちに血圧上昇や水分泌閉止が起こることがあります。*10 これらの副作用は、毎日1g以上のグリチルリジン(およそ10gの根の量)を 2〜3週以上継続摂取するような場合です。

健康な男性が、7日間1日あたり7gのリコリス(500mgのグリチルリジンを含む)を継続摂取すると、テストステロンを合成するのに必要な酵素の働きが抑えられ血清テストステロンの濃度が低下することが確認されました。 *11

多量摂取による副作用を防ぐには、新鮮な果物や野菜を十分に摂りカリウム補給を心がけてください。

ドイツのEモノグラフ委員会(ドイツ連邦政府が1978年にハーブの安全性と効力を検査、評価する目的で設立した機関)は、妊娠中、肝臓、腎臓疾患のある人はグリチルリチンを含むリコリスを使用しないように勧告しています。( DGLタイプは問題ありません。)

一般論として妊娠中、授乳中、糖尿病、高血圧、肝障害、重度の腎不全、低カリウム血症の方はリコリスの使用は控えた方が良いでしょう。

参考資料
* *1. Whorwood CB, Shepard MC, Stewart PM. Licorice inhibits 11s-hydroxysteroid dehydrogenase messenger ribonucleic acid levels and potentiates glucocorticoid hormone action. Endocrinology 1993;132:2287-92.

*2. Soma R, Ikeda M, Morise T, et al. Effect of glycyrrhizin on cortisol metabolism in humans. Endocrin Regulations 1994;28:31-4.

*3. Beil W, Birkholz C, Sewing KF. Effects of flavonoids on parietal cell acid secretion, gastric mucosal prostaglandin productionand Helicobacter pylori growth. Arzneim Forsch 1995;45:697-700.

*4. Amer M, Metwalli M. Topical liquiritin improves melasma. Int J Dermatol 2000;39:299-301.

*5. Morgan AG, McAdam WAF, Pacsoo C, Darnborough A. Comparison between cimetidine and Caved-S in the treatment of gastriculceration, and subsequent maintenance therapy. Gut 1982;23:545-51.

*6. Kassir ZA. Endoscopic controlled trial of four drug regimens in the treatment of chronic duodenal ulceration. Irish Med J 1985;78:153-6.

*7. Bardhan KD, Cumberland DC, Dixon RA, Holdsworth CD. Clinical trial of deglycyrrhizinised liquorice in gastric ulcer. Gut 1978;19:779-82.

*8. Das SK, Das V, Gulati AD, Singh VP. Deglycyrrhizinated licorice in aphthous ulcers. J Assoc Physicians India 1989;37:647.

*9. Murray MT. The Healing Power of Herbs. Rocklin, CA: Prima Publishing, 1995, 228-39.

*10. Blumenthal M, Busse WR, Goldberg A, et al, eds. The Complete Commission E Monographs: Therapeutic Guide to Herbal Medicines. Boston, MA: Integrative Medicine Communications, 1998, 161-2.

*11. Armanini D, Bonanni G, Palermo M. Reduction of serum testosterone in men by licorice. New Engl J Med 1999;341:1158 [letter].

*12. Josephs RA, Guinn JS, Harper ML, Askari F. Liquorice consumption and salivary testosterone concentrations. Lancet 2001;358:1613-4.

*13. Blumenthal M, Busse WR, Goldberg A, et al. (eds). The Complete Commission E Monographs: Therapeutic Guide to Herbal Medicines. Boston, MA: Integrative Medicine Communications, 1998, 161-2.














xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx